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2026年、なぜシール交換が流行った?流行はどうやって国境を越えるのか

流行の伝わり方と言葉の関係を考えてみます。

最近、街中の文具店や雑貨店で、シールやシール帳を見かける機会が増えたと感じませんか?

実は2026年、シール帳やシール交換が大きなブームになっています。

2026年上半期の10代女子向けトレンドランキングでは、「シール帳」が1位に選ばれました。また、別のトレンド調査でも「ボンボンドロップシール」「シール帳」が上位に入るなど、シール関連のアイテムが注目を集めています。

一見すると、「シール交換」というのは少し懐かしい遊びに感じるかもしれません。

なぜ今、昔からある遊びが再び人気になっているのでしょうか。

「シール交換」が令和に復活

シール交換といえば、平成に子ども時代を過ごした人にとっては、どこか懐かしい思い出ではないでしょうか。

お気に入りのシールを集めてシール帳に貼り、友達と「このシールと交換しよう」とやり取りする。

そんな遊びが、今の子どもたちや若者の間でも再び広がっています。

特に現在人気を集めているのが、ぷっくりとした立体感や、透明感のあるシールです。

中でも「ボンボンドロップシール」は大きな話題となり、シール交換ブームを象徴する存在の一つになっています。小学生を対象とした調査では、シール帳を持っている小学生の90%が「シール交換をする」と回答したというデータもあります。

つまり、現在のシールブームは、単に「かわいいシールを集める」というだけではありません。

「集める」「見せる」「交換する」という、人とのコミュニケーションまで含めた遊びになっているのです。

なぜ「昔のもの」が再び流行するの?

今回のシールブームを見ていると、ある興味深い現象に気付きます。

それは、現在の流行の中に「昔のもの」が数多く登場していることです。

シール帳やシール交換だけではありません。

かつて人気だったキャラクターやゲーム、平成のファッションなども、現在の若者の間で再び注目されています。

では、なぜ一度流行したものが、何年も経ってから再び人気になるのでしょうか。

理由の一つとして考えられるのが、SNSです。

昔は、流行が広がるためにはテレビや雑誌、口コミなどが大きな役割を果たしていました。

一方、現在はInstagramやTikTokなどを通じて、過去の文化を知らない世代にも簡単に情報が届きます。

さらに、かつてその文化を楽しんでいた世代がSNSを通じて「懐かしい」などと発信することで、その文化を知らなかった若い世代にも新鮮なものとして伝わります。

つまり、昔の「懐かしいもの」が、SNSによって「新しいもの」として再発見されているのです。

「流行」は言葉と一緒に広がっていく

ここで、少し「言葉」に注目してみたいと思います。

シールの流行一つをとっても、「シール帳」「シール交換」「シル活」など、さまざまな言葉が生まれています。

こうした言葉は、その文化を知らない人にとっては意味が分からないかもしれません。

例えば、「シル活」と言われても、初めて聞いた人には何のことなのか分からないでしょう。

しかし、その言葉をSNSなどで何度も目にすることで、「シールを集めたり、交換したりして楽しむ活動」という意味が徐々に共有されていきます。

これは、流行が「モノ」だけでなく「言葉」と一緒に広がっていくということでもあります。

そして、この現象は日本国内だけに限ったものではありません。

日本の流行は海外でどう伝わる?

日本のアニメや漫画、ゲーム、ファッションなどは、今や世界中で親しまれています。

しかし、海外に紹介するとき、その名前や表現をそのまま翻訳すればよいとは限りません。

例えば、日本独特の遊びや文化には、外国語に一言で置き換えることが難しいものもあります。

「シール交換」という言葉一つをとっても、単に“sticker exchange”と訳すだけでは、日本でどのようなシールが人気なのか、なぜシール帳を作るのか、友達同士でどのように交換するのか、といった文化的な背景までは伝わりません。

これは、アニメやゲーム、食文化などでも同じです。

日本では当たり前の言葉や習慣が、海外の人から見ると「それはどういう意味?」となることは少なくありません。

そのため、海外に商品やサービス、コンテンツを展開する際には、言葉を別の言語に置き換えるだけではなく、「その文化がどのように受け取られるのか」を考えることが重要になります。

流行を追いかけると「文化の伝わり方」が見えてくる

今回のシールブームは、一見すると小さな流行のように見えます。

しかし、少し掘り下げてみると、

「昔の文化がSNSで再発見される」
↓
「新しい世代が自分たちなりの楽しみ方をする」
↓
「新しい言葉が生まれる」
↓
「その言葉や文化がさらに広がる」

という、文化が伝わっていく過程を見ることができます。

これは、翻訳やローカライズにも通じる部分があります。

言葉は、単なる情報を伝えるための道具ではありません。

その言葉が使われている背景や、そこに込められた感覚、文化まで含めて初めて、相手に伝わることがあります。

カルテモでも、さまざまな分野の翻訳・通訳を行っていますが、こうした「言葉の背景にある文化」を理解することは、質の高いコミュニケーションを考える上で非常に重要だと考えています。

これからどんな流行が生まれ、どんな言葉が新しく登場するのでしょうか。

次に街でシール帳を見かけたときには、単なる「懐かしいブーム」としてではなく、「文化が次の世代へ伝わっていく一つの形」として眺めてみるのも面白いかもしれません。


田中達大(マーケティング担当)

2020年カルテモ入社。翻訳コーディネーションを4年ほど担当し、現在は通訳・人材事業、営業、マーケティングを担当。前職は旅行会社にて中南米地域を扱う。中南米のほとんどの国を訪れたことが自慢。